山本五十六遺書を書く

こうして海軍の親米派の人たちがドイツとの同盟に反対します。
これを心よく思わない人は彼らを、特にズケズケものを言う山本五十六を暗殺することを考えます。
山本に対しても脅迫をしたようです。
山本は遺書をしたためます。
「一死君国に報ずるは素より武人の本懐のみ。あに戦場と銃後とは問はむや。」
  戦場で死ぬことも銃後で死ぬことも一緒というわけです。
「勇戦奮闘戦場の華と散らんは易すし。」
  戦場で死ぬことのほうが簡単だ。
「誰か一貫俗論を排し斃れて已むなきの難きを知らむ。」 
  いかなる俗論にも負けずに「斃れてのちやむ」ほうがむつかしい。
といった内容です。

当時の世相の中で自分の意見を通そうとすると、まさに命がけだったわけです。