2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧
第2回御前会議で天皇陛下は 四方の海みなはらからと思ふ世に など波風の立ちさわぐらむ と詠まれてとのことです。歌にたくして発言をされたのでした。とりあえず10月が目途ですからそれまでに交渉をうまくいかせることを天皇は願っていました。 近衛文麿…
8月15日。 山本五十六連合艦隊司令長官は電報命令を発します。 それには 「連合艦隊は・・・すみやかに戦備を完了し、時局の急変に備えんとす」 とあります。 もはや戦争は避けることができないと山本は考えたのです。 彼は真珠湾攻撃を本気で考えるので…
こうした事態の中でまだまだ日米が和解することができると考えていた人がいました。 近衛文麿総理大臣です。 彼の考えではそもそも悪いのは松岡洋右でした。 だから松岡を外務大臣からはずす。 このように考えて近衛内閣は総辞職に踏み切ります。 この結果松…
日本はアメリカから1滴の石油も入ってこなくなりました。 当時の日本の備蓄はというと、木戸日記によれば 「油は海軍が2年量としても戦争をすれば1年半しかないという。陸軍は1年くらいとのことだ。」 といった感じでした。 この状況ではたしてアメリカ…
この後の状況を列記します。 7月25日 アメリカが在米日本資産を凍結。 7月26日 イギリスも在英日本資産を凍結。 7月27日 蘭印政権は28日蘭印よりの日本、満州、中国、仏印への輸出、日本からの輸入に対し全面的許可制を布くとともに、在留邦人の…
大本営政府連絡会議は松岡洋右外務大臣がドイツのソ連侵攻によって北進論を主張。 一方、陸軍はソ連の脅威がなくなったのだから南進論を主張しました。 この両論の結論を御前会議に持ち越します。 御前会議とは天皇陛下の前で内閣と軍部が一緒になって日本の…
大本営政府連絡会議という会議がありました。 この会議は昭和19年に最高戦争指導会議という名に変わります。 それはさておき、この会議は近衛文麿が昭和12年につくったものです。 目的は政府と軍部のそれぞれの幹部が互いに話し合おうというものでした。…
話は戻ります。 昭和15年11月のことです。 ウォルシュとドラウトという神父が来日しました。 この2人は「日米国交打開策」を携えてきまいした。 まず、2人は産業組合中央金庫の井川忠雄理事に会い、井川理事を介して近衛文麿さんに会います。 近衛さん…
松岡洋右はモスクワでスターリンに会います。 これは想定外の出来事でした。 ここで松岡は思い切った決断をします。 日ソ中立条約の締結です。 スターリンは当然独ソ戦を予想していたと思います。 それに備える意味での日ソ中立条約だったのでしょう。 松岡…
松岡洋右はドイツで2回ヒトラーと会談をしていました。 1回目の会談でヒトラーはこう主張しました。 「日本にとっての絶好の機会である。ロシアとイギリスはヨーロッパにかかりきりである。 アメリカも戦備が整っていない。若干の危険はあるが、その危険は…
昭和16年4月にそれまで民間レベルで話し合っていた日米諒解案について正式交渉に入ります。 4月16日に日米諒解案ができます。 4月18日、日本政府統帥部連絡会議で全員が成立に賛成しますが、松岡外相の帰国を待って返電することにします。 4月22…
昭和16年(1941年)1月8日に東条英機陸軍大臣の名において「戦陣訓」が全軍に示されます。 これは「序」に始まり、「その一」から「その三」まで3部から構成されます。 「本訓その一」は皇国、皇軍、軍紀、団結、協同、攻撃精神、必勝の信念の7項…
昭和15年は紀元2600年に当たる年でした。 東京でオリンピックや万国博覧会を行う計画があり、そのために隅田川に勝どき橋が造られました。 この頃国民は生活状態も押し詰まってきて自由がきかず、心中かなりの不満を持っていました。そうした国民の鬱…
昭和15年いよいよ日本はドイツと同盟を結ぶことによってアメリカ・イギリスを仮想敵国ではなく正真正銘の敵国とすることになります。 これに伴い陸軍は北部仏印(現在のベトナム)への進駐を計画します。 北部仏印といっても支配国であるフランスは当時ド…
かくして近衛文麿首相によって、というよりも松岡洋右外相の主導によって三国同盟は締結されるはこびとなります。 ところで海軍はなぜ賛成に廻ったのでしょう。 まず、三国同盟の必要性はどこにあったのでしょう。 まず、アメリカへのけん制です。 アメリカ…
近衛文麿という人は反米主義者でした。 だいたいの性格は自分の意見を通しながら、危なくなると逃げ出すといったものでした。 反米主義者であったため、日独伊三国同盟には積極的です。 一方において政党を解党して強力な体制を作ることが必要だとも考えてい…
昭和14年9月1日 ドイツ軍はポーランドに侵攻します。 ここに第2次世界大戦が始まるのです。 明けて昭和15年1月の米内光政内閣が成立します。 前に書いた海軍大臣が総理大臣になったわけです。 当然米内さんの主張は日独伊三国同盟に反対です。 ヨー…
こうして海軍の親米派の人たちがドイツとの同盟に反対します。 これを心よく思わない人は彼らを、特にズケズケものを言う山本五十六を暗殺することを考えます。 山本に対しても脅迫をしたようです。 山本は遺書をしたためます。 「一死君国に報ずるは素より…