紀元2600年

昭和15年は紀元2600年に当たる年でした。
東京でオリンピックや万国博覧会を行う計画があり、そのために隅田川に勝どき橋が造られました。
この頃国民は生活状態も押し詰まってきて自由がきかず、心中かなりの不満を持っていました。

そうした国民の鬱屈した思いを吹き飛ばす意味もあって11月に紀元2600年の式典が行われました。
この頃流行った歌が「金鵄輝く日本の、栄えある光身に受けて〜♪」というものでしたが、これには替え歌があって「金鵄あがって15銭、はえある光30銭〜♪」といったものでした。
要するに金鵄(ゴールデンバット)、光はともに煙草の名前で、これらの値上げを皮肉くる内容です。
11月10日に皇居前で式典が挙行され全国から代表5万人が集りました。
提灯行列、山車、旗行列とお祭り気分が15日まで続きます。
16日になると「祝いは終わった、さあ働こう」というポスターが張り出されました。